こんにちは、メディア事業部の木下です。
最近「木下くんは、論理的な話し方するよね」と言われたので、
なぜ自分がそうなったのかを考えていました。
過去の経験を辿ったところ、どうやらその原点は小学生5年生の頃に読んだシャーロック・ホームズのようです。
特にシャーロック・ホームズのなかでも『踊る人形』の冒頭の話が記憶に残っています。
その部分を転載します。
ホームズは何時間も無言で、尋常ならぬ悪臭のある化合物を合成中の化学反応容器の上に 長くやせた背中をかがめて座っていた。
頭を胸の上に垂れ、私の目にはさえない灰色の羽と黒い冠毛を 持つ、奇妙なひょろ長い鳥のように見えた。
「それで、ワトソン、」突然彼が言った、「南アフリカ公債に投資するつもりはないのかい?」
私ははっと驚いた。
ホームズの不思議な能力に慣れているとはいえ、この、心の一番奥で考えてい ることへの突然の侵入はまったく説明のつかないことだった。
「いったいどうしてそれがわかった?」私は尋ねた。
湯気の立つ試験管を手に、スツールの上でくるりと向きを変えた彼の深く落ち窪んだ目はおかしそうにきらめいていた。
「さあ、ワトソン、すっかり驚いたと白状したまえ」と彼は言った。
「驚いた。」
「僕としてはそれを紙に書いて君に書名してもらうべきだな。」
「なぜ?」
「五分もすると君はまったくばかばかしいほど簡単なことだって言うだろうからさ。」
「そんなことを言うはずがないよ。」
「いいかい、ワトソン君」−−彼は試験管を棚に立てかけ、クラスの生徒に授業をする教授のように 講義を始めた
−−「複数の推論を連続したものに組み立てるとして、一つ一つが前項に依存し、一つ一つ のこと自体が簡単なら、それはそれほど難しいことではない。
そうした後で、途中の推論をすべて取っ払って出発点と結論のみを 聴衆の前に示せば、見掛け倒しとはいえ、びっくりするような効果を生み出せるだろうさ。
さて、君の左手の人差し指と親指の間のくぼみをよく見れば、君がわずかな資産を金鉱に投資するつもりが ないとの確信を得るのはそれほど難しいことではなかった。」
「僕には関係がわからん。」
「おそらくそうだろうね。だがすぐに密接な関係を示すことができるよ。
これが非常に簡単な鎖の失わ れた環だ。
一、昨夜クラブから帰った時、君の左手の人差し指と親指の間にはチョークの跡があった。
二、君がそこにチョークをつけるのはビリヤードをやる時にキューを滑らないようにするためだ。
三、君はサーストン以外とビリヤードはやらない。
四、四週間前に君は、サーストンが一月で満了となる 南アフリカの土地の選択売買権を持っていて君との共有を望んでいる、と言った。
五、君の小切手帳は僕の引き出しにしまいこんであるが、君は鍵を求めなかった。六、かくして君は金を 投資するつもりはない。」
「なんとばかばかしいほど簡単な!」私は叫んだ。
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http://homepage3.nifty.com/coderachi/holms/rtrn/rtrn3.html子供心にホームズの洞察力に心打たれのを今でも覚えています。
論理的かつ人への理解を含んでいるものだからです。
小説では簡単に推理していますが、
現実世界で実行することは、とても難しいことです。
なぜなら
・関連しうる事実は無数にある。そのどれを選択するのかが難しい
・選択した事実達をどう結びつけ、どの様な意味合いを作りだすのかは、極めて自由度の高い作業であるため難しい。
という理由があるからです。
この分野の推理には均一的なフォーマットは存在せず、職人芸としての側面があると思います。
「人がどの様な情報を得て、どの様な思考を行い、どの様に行動していくか」
人を理解するというのは、簡単なようで複雑だと思います。
この話を突き止めていくと、
「人は性格とインセンティブの奴隷である」
となると思います。
この言葉は私が尊敬する冨山和彦さんの言葉です。
要するに、その人が置かれているインセンティブの構造と、それに対しどう認識し
どう判断していくかの根源としての性格が人の行動を規定するからです。
そこまで理解して初めて「人を理解する」ということになるのではないでしょうか。
簡単にwin-winと口に出すことは簡単ですが、相手にはどの様なインセンティブがあり、
相手がどの様に認知し、どの様に判断し、どの様に感じるのかを理解しない限り
そもそもの「相手のwinとは何か?」すら理解することはできません。
ビジネスパーソンとしてではなく、一個人としてもwin-winを追求していくために、
自分の減点に戻り、相手の性格とインセンティブ、そしてその結果としての
認識・思考・感情・行動を理解していきたいと思います。
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posted by レバメンバー at 22:16| 東京

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